先日、山梨県甲府に行きました。
現在進行中のプロジェクトの打ち合わせです。

少し時間があったので甲府市内の建物探訪。

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写真は県庁近くにある「山梨県民会館」です。昭和32年(1957)竣工。 
設計・内藤多仲+明石乃道。

内藤多仲といえば耐震構造設計の第一人者。その実績は…大隈講堂や、歌舞伎座、東京タワー、名古屋テレビ塔、二代目通天閣など…誰もが知っている建築ばかりです。「山梨県民会館」は内藤多仲が全体を設計した数少ない建物の一つです。交差点にたつオフィスビルで、かつては北側にホールがあったそうです。

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南側ファサードは構造家らしく力強いグリッドの表現。西側はバルコニーをルーバーが覆っています。

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屋上には可愛らしい「小さなタワー」が載っていました。

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内部階段室。

こちらの建物は近々解体される事が決まっているそうです。


2012.05.31 / Top↑
前回の続きです。

遠山邸にの敷地の中には、貴重なコレクションを展示する美術館があります。設計は建築家 今井兼二。1970年に竣工しました。



門をくぐると、右手に建物が見えます。緑でその全容が見えないようにアプローチが工夫されています。



全体は農家の蔵といった印象。スケールはやや大きめです。



湿気対策なのでしょう。床が地面から持ち上げられています。屋根上の格子はハイサイドライト。上野の西洋美術館と似たような採光方法がとられています。



正面入り口。窓の格子の装飾や、
入り口上のレリーフにこの設計者の特徴が見られます。



中に入ると、西洋住宅の居間のようなスケール感のホールがあります。そこから左右に小さな展示室があるので、私邸に招かれて美術品を拝見するような雰囲気です。

遠山邸とその庭園、そして美術館と非常に見所の多い遠山記念館でした。
2012.05.26 / Top↑
先日、埼玉北部にある遠山記念館にいきました。こちらでは実業家、遠山元一氏が故郷に建てた邸宅とお庭を公開しています。



1936年竣工。設計は室岡惣七。民家のような佇まいから、数奇屋造りまで様々に変化する近代日本建築です。



建物は三棟が内部廊下によって繋がる構成です。内部を歩くと通路が雁行していてなかなか建物の全容が掴めません。まるで迷路のようです。







歩きながら…明るさと暗闇が交互に現れ、次々と新しい部屋へと導かれます。その度に材料、工法共に質の高い空間が目の前広がり…その隙なく徹底した造りに圧倒されます。





施主、設計者、そして職人の情熱に溢れた、「本物」を見ることができる素晴らしい「住まい」でした。
2012.05.25 / Top↑
今回は個人邸なので、外観の写真を一枚のみ。

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建築家・吉村順三設計による都市型住宅。
「南台の家」「軽井沢の山荘」に続く「第三の自邸」です。
(詳しくは1998年9月号の新建築住宅特集に載っています。)

竣工は1995年、吉村さんが亡くなる二年前の完成です。

新建築の文章によると、ご自身はこちらには実際にお住まいにならなかったそうですが都市の住居をテーマに設計されたそうです。

見地を訪れると…敷地の条件は厳しく、周辺に見る景色もなければ、法規制や高低差など多くの要素を解決しなければない事がわかります。しかし、内部にはとても豊か(であろう)空間が広がり、写真からは設計の困難を全く感じません。(実際に内部未見なので想像ですが…)

光の入り方、窓の大きさ、空間のボリュームの在り方、平面計画...全てにおいて、奇抜な事をせずとも都市に「豊かに住まう」空間をつくることはできるのだ、という静かなる主張が誌面から伝わってきます。

私自身、都市住宅を設計する時に今でも頻繁に図面と写真を眺める住宅の一つです。
2012.05.24 / Top↑
先日、八王子にある「大学セミナーハウス」を見学してきました。



こちらは複数の大学が運営資金を寄託し、財団法人大学セミナー・ハウスが運営している宿泊滞在型の研修施設です。



設計は吉阪隆正+U研究室。1965年から何期にもわたり建物が建設され、敷地内に点在しています。







山の斜面を生かし、自然と一体になった建築群。主にコンクリートで造られた大胆かつ独創的な造形が大きな見所といえます。



吉阪隆正は、フランスの建築家
ル・コルビュジエに学び日本では国立西洋美術館の設計にも携わっています。大学セミナーハウスの造形にも、コルビュジエの影響は色濃く現れてると言えるでしょう。



近年、一部が解体撤去されたものもありますが、まだまだ多くの建物が残っています。



見学当日は多くの施設利用者で賑わっていました。優れた造形をもつこれらの建物。歴史的にも意味のある建築ですので長く大切に使い続けられることを願います。
2012.05.21 / Top↑
只今、埼玉県行田市でプロジェクトが進行中。打ち合わせで訪れた合間に市内を散策しています。

行田には、かつて「忍城:おしじょう」という名の城がありました。この城は、あの豊臣秀吉が石田三成に命じて水攻めを行ったにも関わらず落城させることができなかったという逸話があるそうです。(その忍城水攻め様子を描いた映画、「のぼうの城」が今年秋に公開予定とのこと。)

また、行田は江戸時代から足袋の生産が盛んでした。その名残りから市内には大きなお屋敷や石造りの蔵があちこちにあります。





下の写真は、かつて写真館だった建物。このようなモダンな建物からも…町の歴史を感じることができます。

2012.05.17 / Top↑
先日、上野散策中に見た建物。
アメ横の中にある変電施設。
人通りの多いところです。

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下谷変電所、竣工は1931年(昭和6年)とのこと。
一見、装飾的ではあるものの..機能は変電設備。
最小限?の表現にとどまっているところが何とも中途半端....

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しかし、築81年!
刻んだ年月の分、存在感のある建築でした。





2012.05.16 / Top↑
ギャラリー上り屋敷からの
インフォメーションです。

「かたち」
5月14日(月)~19(土)
13時~19時

石原稔久・オカムラノリコ・gaju・羊毛倉庫

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ただ在ること
在り続けること
私たちの心に
やさしく寄り添う
そんな、カタチ。

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会期中には、いろりカフェの珈琲と、
目白かいじゅう屋のパン・焼き菓子が召し上がれます。
パンのある日は16日(水)18日(金)19日(土)です。
(珈琲とパンのセット650円)

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2012.05.12 / Top↑
大型連休も終わり、本格的に世の中が動き出し始めました。
春も終わり夏の気配が感じられる最近ですが皆様いかがおすごしでしょうか?

今日は仕事の打合せのついでに上野~浅草近辺を散策。
この辺りは東京の中でも歴史の古いエリアななので見所が満載です。

その中から一つご紹介するのは、建築家 渡邊洋治設計による台東区内のビルです。

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渡邊洋治設計 Sビル 1967年竣工

渡邊洋治という建築家の代表作はなんといっても新宿にある
第3スカイビル(鉄のマンション 1970年竣工)ですが、こちらSビルは
それ以前のもの。この建築家の特徴としては建物が「異様」に見える事。
軍艦であったり、要塞であったり、とにかく普通ではないカタチを持っているのが
特徴だと言えます。

その中で、このSビルは比較的おとなしい印象ですが、
しかし、よく見ると...普通ではありません。
なんと両脇の柱はまっすぐではなく上にいくほど微妙に細くなっています!

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そして正面はルーバーとコンクリート打放しに艶のあるブラウン塗装。
小さな孔が窓のように開いていますが窓ではありません。ルーバーの
内側が窓のようです。この小さな孔の印象は「斜めの家:田中邸(1976年)」
彷彿とさせます。

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比較的交通量の多い通りに面していますが、スケールはとても小さなビルです。
今では他のビルの派手さに隠れてしまい全く目立ちませんが...
ひとたび足を止めてじっくり眺める事で...
建築家の「モノ」に込められた思いのほどが徐々に迫ってきます!

今から45年も前の建物ですが地味ながら迫力のある建築でした。








2012.05.09 / Top↑
先日、四季の森デンタルクリニックにお伺いしたとき
いつもと違う裏道を車で走っていると...ふと印象的な建物が目に飛び込んできました。

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「若駒酒造」という酒蔵でした。

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その後、インターネットで調べてみると...
文化庁の「登録有形文化財」に指定された建物だそうです!
(栃木にはずいぶん通いましたが、全然知りませんでした!)

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こちらの建物、以前にドラマ「JIN -仁-」のロケに使われたそうです。
ドラマは未見なのでわかりませんが、とても雰囲気のある場所だとは思いました。


2012.05.01 / Top↑