写真は日比谷にある
「日本生命日比谷ビル」(日生劇場)です。

設計は村野藤吾。
1963年竣工、72歳の時の仕事です。

この建物が完成した時はちょうど「東京オリンピック」へ
向けて数々の建物が建設されている時期...
まさに戦後の建築が「モダニズム」を中心に近代化へ
進む中、それとは異質な表現方法を用いた建築です。

外壁はクラシカルな表現、玄関床のモザイクや
曲線的な階段、手摺のディテール等、その技術の
高さは時代を超えた美しさを感じます。



なかでも、この劇場の「天井」は大迫力!

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音響効果を考慮して生み出された形態との事ですが
有機的な曲線が造り出す幻想的な風景。

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そして、その表層には「アコヤ貝」という自然の貝殻が
そのまま貼付けてあります。

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素材と表現の在り方を追求するこの建築家の膨大なエネルギーによって
完成したこの空間は、未だ衰える事無く人々を魅了しています。

一見すると時代の流れに逆らうような表現の多い建築ですが
決して「モダニズム」と対極にあるのではありません。
むしろ「モダニズム」らしい建築だと解釈する方が良いかもしれません。

建築に許されるもの、そして求められるものは何か...

今の時代にこそ、この建物が語りかける「モダニズムへの回答」に
耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。


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2012.01.23 / Top↑